aoko's blog

社会に出て困難を感じる人へ(社会人・事務・貿易事務スキル、諸々の生きる術など)

ホステスの仕事はコミュ力を鍛え、社会勉強になるのか*水商売の話[8]

 

性コミュ障の元スナック勤務が個人の感想を書きます。

 

スナック・キャバクラ等の水商売をすることのメリットとして

◆コミュニケーション力を鍛えることができる

◆社会勉強になり、視野も広がる

といったことがネットメディアなどで取り上げられています。

 

まるで超万能薬の効能か何かのようですね。 

実際に超万能薬的な効果があるのか。はたまた万能の代償に大きな副作用でもあるのか。

目次:

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コミュニケーション力の向上について

幼い頃から1人で遊ぶことを好み、人との会話が苦手という真性のコミュ障です。

今考えると怖い者知らずと言いますか・・・働いてい当時は、自分が「自閉症スペクトラム障害」に該当することを知りませんでした。

 

そんな私がスナックに勤務してどうなったかと言いますと。

 

1)リアクションや会話のパターンが増えました。⇒すなわちコミュ力アップ

2)上下関係におていも「適度な」対応を取れるようになりました。⇒スルースキルもアップ

 

順番に解説します。

 

1)コミュ力向上

はじめに説明しますが、私(自閉症スペクトラム障害)のコミュニケーション力とは、より多くのリアクションや会話のパターンを覚えて、それを実践することです。

 

そういう意味で、一時的にコミュ力はアップしました。

 

男性客や女性スタッフ同士、ママといった人間関係の中で「軽めの、何気ない会話のやり取り」のサンプルを多く収集できました。

リアクションや会話のサンプルは、昼間の会社員生活でも役に立ちました。

手持ちのサンプル数が増えたことが直接的にコミュニケーションを良くするだけでなく、コミュニケーションへの自信のなさを補い、心理的負担も軽減されたと思います。

 

ただ、うまくいったのは、お店のお姉さま方や同僚に優しい人が多かったことが大きなポイントです。

昔から女子の中にいると、私はツッコミ所満載のキャラなので、お店でも少し抜けたところのある人という扱いだったと思います。

そういう扱いで受け入れられていたことがラッキーでした。

 

ところで、個人的に疑問なのは、男性客への接客スキルを「コミュニケーション力」と呼ぶことが本当に適切なのだろうか、という点です。 

男性はお金を払う客であり、女性は男性のお金でお酒を飲み、サービスを提供します。間違いなく「女性性」で商売しています。 

このように限られた特殊なシチュエーションでのみで求められる振る舞いですから、コミュニケーションというより異性相手の接客の能力と言った方が良いように思います。

 

昼間の社会生活で、そのような能力は必要になるのでしょうか。普段の生活でそのようなコミュニケーションを取りたいと思われますか?

 

今のところ、昼と夜の世界は完全に分断されています。

基本的に、夜の常識は夜にしか通用するものではないです。昼にやったらただの変な人です。

 

**副作用的な面 **

ある程度のコミュニケーションサンプルを習得するまでが地獄でした。半年くらいの間は泣きながら家路につくこともしょっちゅうでした。

胃痛でご飯が食べられなくなり、みるみるうちに体重が落ちて服が合わなくなりました。追い詰められてボロボロでした。

そこまでしてやる必要あるか?って話です。 

 

2)スルー&お断りスキル向上 

これまた自閉症スペクトラム障害のあるあるですが、自分の意思を持って、それを発言することが苦手です。

ママやお客、お姉さんに何か頼まれたり、指示されたりすると「はい、わかりました」「大丈夫です」と返事をすることしか知らなかったのです。

 

「適度」というものを知らずに相手へ合わせることなどをやり過ぎてしまい、とても神経をすり減らしました。

少し時間を要しましたが、周囲の振る舞い方を見ながら次第に話を聞き流したり、断ったりすることができるようになりました。

スルーする上に、お断りすることも覚えたのです。

 

社会勉強になったこと

多くの男性には女性蔑視が骨の髄まで浸みわたっている、ということをこの目で見ました。

 

ところで、何をもって社会勉強というか、ということから確認したいです。

スナック等の接客は良い社会勉強になるという話の具体的な中身は、大きなビジネスの話を間近に聞けるとか、経済的に余裕のある男性の振る舞いを知ることができる、とか。

それって、まずは池井戸さんの小説でも読めばいいんじゃないでしょうか。

 

高級なお店のことは知りませんが、日本社会に存在する多くのお店はどこも同じような感じだと思うので、そういう話をします。

お店の客層は、中小企業の社長、中堅大手の役員、社員という感じで日本の経済を支えてるぜ的な自負がある風の人が多かったです。

 

・男尊女卑を肌で感じます。

・職業に貴賤なし、という言葉が寒々しく聞こえます。

・神経質に言うと、人の尊厳を踏みにじられることに耐える職業です。

 

女の子とお酒をお飲みたい、お給料が欲しい、そういう両者のニーズがマッチしている対等な商売であれば良いのですが・・・そうではないと思います。

少なくとも、今お店に来られる40代以上の男性陣にはそのような感覚の人はいませんでした。

つまり女性スタッフを下に見ています。

 

私が勤めていたお店は会員制の古いスナックです。

女の子がお酒を作ってタバコに火をつけてあげて、一緒にお話をするというサービスです。

ママのキャラクターのおかげで普段のお店は平和なのですが、ときどき団体客の中に酷い客が紛れ込んでくることがあります。

胸やお尻を触られ、卑猥な言葉を投げつけられるのです。そのような合意のあるお店ではありません。

 

飲み屋の女だから体を触っていいのですか?

飲み屋の女には何を言っても許されるのですか?

 

飲み屋の女は、人格を持つ1人の女性ではないのですか?

 

これは性の絡むサービスだけでなく、サービス業全般に言えることかもしれません。

これだけ日本の社会は成熟しているはずなのに、個人の消費活動にフォーカスすると道徳を失ってしまう人の多いこと多いこと。

 

こういう事実に目を向けることができたことは、社会勉強であり視野が広がったとも言えますが、取り立てて水商売のメリットというわけではないでしょう。

 

現在も役に立っていること

スルー&お断りスキルは一生ものかなと思います。

ただ、これに関しては水商売のみでなく、昼間の会社員生活でも磨きをかけたかなと思います。追い詰められた結果に得たものなので、本当はそこまで追いつめられる状況になる前になんとかなる方が良いです。

 

多くのサンプルを収集した「軽めの会話」というのは、現在はあまり使いません。使いこなすのにはかなりの心労がかかるし、そういう会話をしなければならないシチュエーションに今の私は耐えられないと思います。

 

水商売の将来に願うこと

広い意味で飲食業界全般について願うことです。

こういった商売において、男女間もそうだし、サービス提供側と受領側の格差みたいなものが、いつか是正される日が訪れるでしょうか。

時代の変化と共に人間の価値観というのは変わりますよね。

更に社会が成熟した先に、お互いが対等で尊重するべき存在であるということが一般的な考え方になる日が来たとしたら・・・

その頃には、女性の尊厳が守られ、あらゆる差別とかもなくなっていたりするんでしょうか。