aoko's blog

社会に出て困難を感じる人へ(社会人・事務・貿易事務スキル・生きる術?など)

貿易事務を始める前に◎貿易の基本の話(知らなかったでは済まない話)

 

貿易事務の仕事自体は、書類作成などを覚えればこなせることも多いのですが、もう一歩踏み込んで貿易取引に係る法令などにも少し触れておくと、より一層仕事がスムーズになるかなと思います。

 

貿易事務未経験で転職を検討されている方や、初心者の方向けに基本の話を書いています。

 

目次:

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貿易取引

 

貿易は外国との取引です。

外国と取引されるものは形のある物品だけではありません。金型、技術、情報、ライセンス等の形のないものも取引されています。

 

日本の国内で商品を取引することと何が大きく異なるでしょうか?

・・・それは国境を越えるということです。自国の領土を出て、外国の領土へ貨物(無形物含む)を運ぶのです。日本は海に囲まれた島国なので、領土、領空、領海が主権のおよぶ範囲です。

この国境を越えるというのがキモです。

国境を越えて外国へ貨物を運ぶのが輸出です。

逆に、外国から国境を越えて日本へ貨物を運んでくることが輸入です。

 

このように国境を越える取引について、各国が独自のルールで行っていると取引が円滑に進まなくなるのでWTO世界貿易機関)が世界共通の指針を作って自由貿易の促進、サポートをしています。 

日本もWTOに加盟していて、世界の9割以上の国が加盟しています。WTOは貿易取引で生じたトラブルの仲裁に入ったりもします。

 

輸出と輸入の手続きで大きく異なるのはどのような点だと思いますか?

・・・輸入には納税の手続きがあるということが大きな違いかと思います。

 

輸入=商品の購入ですから、消費税を支払います。他にも関税が徴収されることもあります。

 

自由貿易の促進

 

関税というのは、自由貿易の考えとは相反する制度です。昔は、主に自国の産物保護のために外国から輸入する商品に高額の関税をかけて輸入量を制限していました。

保護貿易といいます。その後、自由に貿易をしようという考えが広まり、むやみやたらに高額な関税はかけられなくなりました。

 

近年では日本もさまざま国と自由貿易協定を結んで、活発な貿易取引を行っています。WTO加盟や自由貿易協定、経済連協協定等のおかげで、関税フリーの取引はとても多いです。

特定の農産物等に関しては、日本国内の畜産農家を守るための関税を維持していたのでTPP交渉において国内で大きな論争になっていました。

 

国民や世界の平和、利益を守る輸出入規制

 

さて、自由ジユウと言っていますが、なんでもかんでも入ったり出たりして大丈夫なの?という懸念が浮かんできますか?

大丈夫です、この対策をした上での自由貿易が前提となります。

 

法令上は日本国民の生活を脅かすようなものは入れてならないことになっていて、担当の監督省庁が管理することになっています。

日本国民だけでなく、世界の平和や地球環境への配慮のための法令もあります。

 

例えば、武器等および開発や転用できるものを何の配慮もせずに、世界中へばらまけば世界の平和や安全に重大な懸念が生じることは予想できます。

ですから提供しても問題ない相手のみに提供するのです。このような安全保障の問題は、経済産業省の管轄で適切に管理されます。

(安全保障に係る法令違反で懲役が課されるケースは実際に起きています。)

 

それから、食の安全についてもよくニュースに取り上げられていますね。日本国民の食卓を守るために、厚生労働省の管轄で、食品衛生上の問題のないものだけ輸入して良いことになっています。

 

このように安全や健康を守るために、監督省庁への届出や許可などが必要なものについては、それらの手続きを済ませた上で税関へ申告して良いことになっています。

 

貿易取引を行う会社は、会社の責任において法令を遵守し、適切に物品等の輸出入を行う必要があります。

しかしながら、この貿易に係る責任を認識せずに気軽に外国へ貨物を送ったり、または取り寄せたりすることで、知らず知らずのうちに無許可の輸出入を行ってしまうという事例は絶えないようです。

 

輸出入に規制に係る法令について例を見てみましょう。

 

関税法 → 麻薬、わいせつ画像等、特許・著作権侵害等の物品等(輸出・輸入それぞれについて禁止品が定められています)

例:ブランドの模造品は輸出も輸入もしてはいけません。関税法の禁制品には、特許や著作権を侵害するものが含まれています。 

 

外国為替及び外国貿易法(輸出貿易管理令・輸入貿易管理令)→ 武器等の安全保障に係る物品・情報等の規制、ワシントン条約の遵守、北朝鮮への輸出禁止等

 

▼ほかの法令: 貿易に限らず日本国内でのビジネスにおいても、食品であれば食品衛生法の定められたところに従う必要がありますし、それと同様に取り扱う物品によってルールがあります。

 

大事なことは、

・貿易は、国境を越えた物品等の移動であることを理解する(※)

・輸出入者の責任で法令を遵守しなければならない

ということだと思います。 

 

※EMSで外国へ荷物を送ることと、ヤマトの宅配便で日本国内へ荷物を送ることでは、国境を越えるという大きな違いがあるということです。まったく異なる行為です。

 

事前にジェトロのwebサイトで関連する法令を調べてわからなければ相談するのが良いと思います。 

 

経験ベースの記事ですのであくまでご参考としてください。

 

細かい法令は要確認です。私の理解の範囲で書いてますので、かなりざっくりです。重大な誤りに関するご指摘や気になる点がありましたら、お手数ですがお問い合わせフォームよりご連絡くださいますようお願いいたします。

 

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