aoko's blog

社会に出て困難を感じる人へ(社会人・事務・貿易事務スキル、諸々の生きる術など)

輸出商品に不良品が見つかった場合の対応/返品のための再輸入の手続きは可能か

 

外国へ輸出した商品について、買主から不良品の報告を受けた場合に想定される対応について書きます。

まずはなるべく実物を動かさないことです。細かい話ですが不良品の確認から始まり、実際に動かすとなるとどんな手続きになるのか事例を紹介します。

 

目次:

まずは不良品の確認

買った側の立場としては、不良品が見つかった場合に生じるコストは相当に重い場合があります。他の製品に不良品が混入していないか確認するために、検品を強化したり、場合によってはやり直すこともあります。更に使い物にならない製品であっても一時保管していなければならないため、管理コストとスペースを食うわけです。

つまり「検品しなきゃらならんし、廃棄するにも保管するにも労力もお金がかかるので早くなんとしかしてくれ」という言い分です。

 

一方で、売った側(輸出者)としては不良品の状態を確認せずに、全ての交換や返金を受け付けることはできないというのは当然ではありますよね。

 

基本的には悪意のある報告というのはないと思いますが、悪意の有無に係わらず見解の相違というのはあるものです。

例えば、大量生産される成形品は全て完全に同じものが生産されるのではなくて、個体差があります。売主側は、個体のばらつきについて許容範囲を仕様書等で示すのですが、出来上がった製品の個体差が許容範囲であるか否か、買主側と見解が割れてしまうことがあるのです。(外国の買主がこのようなクレームをつけるのかはわかりません。中国企業が輸出して、日本企業がクレームをつけることはよくありました)

 

そこでまずは画像や動画のやり取りで詳細を確認していく必要があります。

廃棄費用等を負担する

一通り確認して、売主側が不良と認められない場合は、仕様書を示して説明することや、大量生産において避けられないバラつきであることなどを説明して、納得してもらうようにがんばりましょう…。

 

不良が認められる場合には、廃棄費用に係る諸費用を負担するようにすると良いと思います。

不良品や廃棄処理に係る請求書の画像等の証拠を提出してもらうようにします。実物を動かすことよりも、まずは最小の手間で処理した方が良いことが多いと思います。

 

仮に不良品が見つかった場合でも、検品費用に関しては負担する必要はない場合が多いかなと思います。買主側の検品は彼らの商売のためにも、彼ら自身の責任で行うものですから、その範囲を逸脱しない限りはその必要はないと思います。

何か言ってきた場合には、話を聞いて適宜対応するほかないですね。 

日本へ戻す手続き 

以上のようにデータのやり取りと費用の処理で済むのが一番良いですね。では、実際に物を動かすとなった場合にどんなことが起きるのか参考のお話を書きます。

返品に関わる輸送は貿易の基礎の話でも書いたように日本国内における物流とは全く異なります。

何が違うのかというと国境を越える移動であるという点です。

 

日本で製造され、外国へ輸出した商品を再び日本へ戻す場合にどのような手続きが考えられるでしょうか?

2つあります。

 

答えの1つ目は、輸入の手続きです。

一度輸出した貨物は、Made in Japanであっても「外国貨物」という扱いです。外国から輸入する外国製の貨物と同じ扱いになります。

外国貨物を日本国内に入れるためには輸入申告が必要です。当然ながら外国貨物の輸入には税金が発生します。(後述しますが、経理部門の業務になるので詳しいことはわかりませんが、税務処理で還付されると聞いたことがあります。)

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2つ目は、再輸入の手続きです。

返品のための再輸入が認めらると、輸入のための税金の支払いを免除されます。

輸出した貨物と輸入する貨物が完全に一致することを証明することができて、税関が許可した場合にのみ再輸入が認められることがあります。

少しでも関税法に触れたことがある方、下線の条件になんとなくイヤな予感がしませんか?

 

これを最初に書かなかったのには理由があります。

実質ムリだからです。

私が実際に遭遇したケースでは製品個体を識別した上で同一性の証明を求められたのです。ポイントは3つです。

 

その1.商品個体に識別番号(シリアルナンバー)を刻印等で表示していることが前提となる。

その2.輸出した時点でInvoiceまたは添付書類にその識別番号を書いて提出していなければならない。

その3.輸出時と同一の識別番号の製品を輸入することを税関に申告する。

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製品A 100個を輸出する際に、インボイスまたは添付書類に100個の全ての識別番号を記載するということです。

当時の職場においては、この手手続きは非現実的でした。ですから外国貨物として輸入しました。

 

本来義務である納税を免除されるわけですから、わずかな隙もない完璧な証拠が必要となるのです。税金を徴収することが税関の責務ですので、ここは一歩も譲れないところです。

税の免除払い戻しも基本的には大変に難しいことです。

 

還付される税金のこと(経理に丸投げする)

返品される貨物は日本国内で流通するものではありません。フォワーダーさんによると、一旦輸入税を支払ったとしても税務上の処理によって税金は還付されると思います、という話を聞きました。

税務に係る話はさっぱりわからなくて、還付されるらしいです、というのを経理部門に伝えて丸投げしていました。

たしか輸出商社は消費税の還付があるのでそちらでどうになにかなります、という感じでした。これを経理部の人に説明し、あとはよろしくと放り投げた次第です。

 

いずれにしても再輸入を認めてもらうのは大変厳しいので、普通に輸入して税務上の処理でなんとかする、といのが一般的になるんだろうと思います。詳しくはフォワーダーさんに相談してみていただければと思います。

 

相談するときは、輸出時の書類(インボイス、BL等)一式をメールに添付して「この分の返品を受けることになったがどうしたら良いか」といった具合に相談してみると良いと思います。

 

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