一口に貿易事務といっても、輸入か輸出かによって業務は変わってきます。実務においては、書類作成の有無が大きな違いだと思います。いずれにしても貿易に関する知識が必要であることは変わりません。
他にも、会社によって付随する業務範囲が変わってくるということもポイントです。
目次:
輸出業務
輸出書類(インボイス、パッキングリスト)を作成します。
小さい会社の輸出では、パッキングリスト作成のため、オフィスで商品を梱包することがあります。アルバイトを雇って計量するか、担当部署で計量、書類作成を行うこともあります。
輸入業務
シッパーが作成したインボイス、パッキングリストで輸入申告しますので書類作成はありません。例外もあって、たとえば複数業者から仕入れる場合、自社で1枚のインボイスを作成するようなケースもあります。
スケジュール管理
輸出、輸入いずれもその先に納入先があります。自社で販売する場合も購入するお客さんがいます。そうなると会社としては厳密な納期管理が求められますので、輸出入いずれもスケジュール管理も貿易事務担当者の重要な仕事になります。
例えばアナタの会社がある工場へ部品を供給する場合です。工場は生産ラインを中止すると1日で多額の損失が生じますので、納期は厳守する必要があります。
話は少し脱線しますが、納期厳守のためギリギリの納期は伝えないことが原則です。輸送は天候や手続きの混雑等、さまざまな要因で遅れが生じることがあります。初めからお客さんには余裕を持って納期を伝えておくのが安全です。
前倒しの依頼を受けた場合には、可能性はあるけどお約束は難しいことを伝えます。
ただ、この辺りのお客さんとのやり取りは営業さんの腕前とも言えます。貿易事務は輸出入のスケジュールを管理しトラブル等あれば営業さんへ伝えるところまでが業務範囲と考えられます。この辺りは会社次第ですね。
受注発注
輸出商社の場合、日本国内で商品を仕入れることになります。この場合、発注業務は別の担当者(購買)が行うことが多いと思われます。
輸入の場合は、海外仕入先への発注業務も貿易事務の一環として任されることがあります。会社の体制次第なので一概には言えません。
不良品の対応
輸出入した製品に不良があった場合に、解析や修理の依頼のため仕入先へ商品を戻すことがあります。その際に、輸出した商品を輸入、または輸入した商品を輸出することがあります。
その他の書類作成
前払いを求める場合にProforma Invoiceを作成します。不良品の経理上の処理等のため、Debit NoteやCredit Noteを作成することがあります。
調整業務に伴うやり取り(コレポン)
納期調整等に係るやり取りについて、外国とやり取りを行う場合があります。会社によっては受発注や品質管理等、複雑なやり取りも発生します。
結局のところ、貿易事務に英語力と実務経験は必要か?
昨今はネットを見れば多くの英語の例文が掲載され、翻訳サイトは優秀になってきています。このような力をフル活用すれば良いので、貿易事務の業務範囲であればそれほど高い英語力は必要ないように思います。
英語力に自信のない方は「簡単な読み書きができればOK」の求人へ応募しましょう。
尚、取引や品質に関わるやり取りなど込み入った内容のやり取りを行う場合でも、emailであれば徐々に慣れて身に着くと思いますよ。(ワタシの経験談ですが文法は怪しいけど仕事に滞りはない、というレべルには到達できると思います。)
→高い英語力は不要、英語に抵抗がないことが大前提。
英語力があるけど知識がない方は貿易実務検定のテキストを読んでみると、貿易のことがよくわかると思います。「英語ができれば実務未経験でもOK」の求人もありますから挑戦できるとは思います。
→実務未経験の募集もたまにはある。
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→正社員の転職は厳しい。派遣社員を視野に入れて活動する。
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