aoko's blog

社会に出て困難を感じる人へ(社会人・事務・貿易事務スキル・諸々の生きる術など)

輸出販売を始める前に確認すること◎化粧品を例に見てみる

 

日本国内で納品するには「荷物を発送」すれば良いのですが、貿易を始めるとなると事情が変わってきます。輸出販売に際してどんなハードルが存在するか、化粧品を例に書いてみます。

 

日本の商品は海外での需要が高く、なかでも化粧品は品質の高さ、安全性から多くの女性の支持を得やすい商品です。

商品の安全性は折り紙つきですし、自由貿易の概念と照らすと、輸出ができそうな気がします。また、関税法で化粧品が輸出禁制品になっているワケでもありません。

では一体どんなハードルがあって輸出を難しくしているのか、そういった点をこの記事では書いていきたいと思います。

 

目次:

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日本国内の法令に準拠しているか

1.製造に係る規制

日本で売られている化粧品をそのまま輸出することは誰でも可能です。

 

では、日本で売られている化粧品をそのまま外国で販売することは可能でしょうか?

答えは、おそらくNoです。

 

日本の店頭を思い浮かべてほしいのですが、必ず消費者が成分や製造元等の製品情報を確認できるようになっています。

どこの国もそのような表示に係るルールを定めていますので、それに準拠していることが求められます。

 

そこで輸出先国のルールに基づいてラベルを用意して貼りたいと思いますが、ここで問題が生じます。

ラベル貼りなどは化粧品製造業許可を持っている業者が行えるもので、誰もが自由に気軽に行って良いことではないとされています。

これは貿易うんぬんではなく、化粧品製造に関する規制で医薬品医療機器等法に定められています。厚生労働省の管轄となります。

 

2.輸出令

外為法の輸出貿易管理令のことです。

主に安全保障に係るルールを定めていて大量破壊兵器や武器等やその製造、転用に使えるものの取引を規制しています。

 

その他にも日本はワシントン条約で規制されている動植物の取引についても、輸出令(輸入令)で定められています。絶滅危惧種等でワシントン条約によって世界的に取引が規制されているものです。(日本はワシントン条約に批准しています)

 

化粧品では、自然派化粧品に使われる原料の成分にそういった希少な植物が使われていないかという指摘を受ける可能性が考えられます。

基本的にそのような植物のエキスを原料メーカーが販売していることはないのかなと思いますが、指摘を受けた場合には、原料メーカーに資料の提出を求める必要が出てくるのではないかと思います。 

 

フォワーダー側(通関業者)の担当者が成分表を確認してこの点に気付いた場合、証明できなければ手続きが進まない可能性があります。

輸出者が輸出貨物に責任を負うのは当然ですが、フォワーダーが違反を知りながら手続きを進めることもできないため厳しくなる場合もあります。(通関業法)

 

輸出先国の法令に準拠しているか

 

前述のラベル表示もその1つです。リサイクルマークや、フォントサイズ等の記載要綱を満たす必要があります。

化粧品の場合は、使われている成分にも着目する必要があります。日本では使用可能な成分であっても、外国ではNGの場合もあるからです。

また、日本では美白化粧品による白斑問題が起きた後、肌の状態を確認しながら使うという主旨の文言を表示するようになりました。そういった表示に係る輸出先国の決まりは事前に調べておく必要があります。

 

輸送について 

 

化粧品というジャンルは、化学品に分類されるため成分表はもちろん、SDS(MSDS)というデータシートの提出を求められる可能性が高いです。

データシートは製品の流通過程で業者同士で取り扱うものでメーカーが発行しています。取り扱い方、万が一中身が漏れた場合にどう対処するかなどを明記している書類です。

これらの書類をもと航空会社や船会社が搭載可能なことを確認します。化粧品といっても幅が広いので、飛行機に搭載できない場合は船の輸送になります。

化粧水、乳液等の基礎化粧品に関しては多くの場合航空機に搭載できると思うので、その方が良いのではと個人的には思います。

海上輸送中のコンテナ内は非常に高温多湿になってしまいますので、品質への影響がないことを確認した方が良いように思います。)

 

輸出して終わりではない

 

何らかの問題で返品となる事態が100%起きないと言えるでしょうか?

もしも返品を受けて戻す場合、輸入の手続きを行う必要があります。

最初に書いた「日本国内の法令」の項目になるのですが、化粧品の輸入は化粧品製造業許可を持っていなければできません。

 

ビジネスとして不良品の返品を受け付けないという商売が成り立つでしょうか?

または物を確認せずに返金対応することは現実ではなく恐らく難しいと思います。

そうなると化粧品製造許可を有し輸入できる、という環境が整っている必要があります。

 

基本的に返品を受ける場合は、他の外国貨物と同じように輸入するものと考えておかれた方が良いです。

よろしければ「輸出商品の返品受付について/返品商品は外国貨物なのか?」もご参考になさってください。

 

リスクの管理ー製造物責任

 

商品が原因で重大なトラブルに発展した際に備えて、製造業者はPL保険に入ります。損害賠償になった場合に、流通に係る業者もこの責任を負う可能性は高いです。

このリスクへの知識と対策も取る必要があると思います。

(取引にはPL保険に入っていることが求められていたという記憶があります。) 

 

この事例では化粧品を例にポイントを確認しました。

輸出令や再輸入等はどんな貿易取引でも把握しておく必要があると思います。物品毎の法令に関しては、ジェトロのサイトで情報を集めることが可能です。

化粧品に関して言えば、輸出入の代行を行っている会社さんがありますので、そういったエキスパートの力を借りるという手段もあると思います。

 

大筋をつかむための、あくまでご参考程度となります。