見積りしたらしっぱなし、メルマガ送ったら送りっぱなし。
中小企業で事務をしていた中で気づいた「送りっぱなし問題」について書きます。
※いち事務員の愚痴が混ざっています。
目次:
問題の事例
メルマガを配信した場合の事例を挙げます。
顧客の反応があればフォローアップをします。
反応を見ながら顧客の関心度を測ったり、営業のプランを作ることができます。
であるのに、実際にはメルマガを送るだけで終わってしまうのです。
配信には営業支援ツールを使っていますので、当然ながら効果測定の機能が付いていますが、それを生かすことができていません。
人員不足に見えるがその実態は
効果測定をする人がいても、そこから行動プランを作る人がいません。
常にギリギリの人数で回しているので誰も彼も手一杯のように見えますが、見えるだけで、実際には人員や労力を割くポイントがズレているだけの可能性が高いです。
「行動プランを作る」工程を会社の業務として組み込むことを経営者側が考えていないのです。
ただでさえ手一杯なのに、従業員の誰かが自発的に行うことを期待していたとすればとんでもない勘違いだと思います。それはいち従業員の役割ではないです。
念のため書きますが、送るだけで良いなら支援ツールの契約は要らないはずです。
売上を上げたくて営業支援ツールを契約しているとしたら「送りっぱなし」というのは、目的と手段が合致していません。
効果測定に基づいたプランを作ることの必要性に気づき、業務に組み込む必要があると思います。
中小企業の業務は概してその場しのぎになりがちで、適切にフォーマット化されていませんし、「昔からこうだから」と慣習に囚われて必要性を再検討されていなかったりするために、業務の工数が多く時間を要する原因になっています。
行動プランを作ることを前提に日ごろの業務を見直す必要があります。
身近な業務簡素化
会社全体で見て業務を簡素化する方法について、知人の話を織り交ぜて一例を挙げてみます。
全体として既存の業務をスリムにて、本当に必要な業務の人員と時間を確保する目的です。
◆煩雑で無駄な表
納期等を管理する表がいくつもあります。会社別や型番別など、その時々に応じて表が増えたり減ったりします。
また、経営者の要望で経営者が見やすいように新規の表を作ることもあります。
複数の表を更新するのは明らかに無駄があります。
そうしなくていいようにフォーマットを1つに絞る工夫が必要です。
◆労力を割く場所が違う
外勤営業が自ら交通費を細かに入力して清算書を作成しています。
どこから乗って、どこで乗り換えて、どこへ行って、いくらかかったのか。
雑多な事務作業を営業自ら行う必要性は本当にありますか?
営業自ら、そこへ注意力や作業力を割く必要がありますか?
一番簡単な方法として、鈍行の電車賃に関してはチャージ済みのICカードを渡して、履歴を印字すれば済む話だと思います。
タクシーや特急券に関してのみ、イレギュラーとして個別の清算を行えば事務作業がぐんと減ります。
また、営業自身だけでなく経理担当者もいちいち細かい清算がなくなります。
◆何も生まない時間
モチベーションのための朝礼や、進展もメリットも生まない会議を廃止した方が良いと思います。
モチベーションを上げようとすることは概して、価値観や考え方などの押し付けに他なりません。会社が個々の思考にまで踏み込む権利もなければ、そのことに意味もありません。
会議に関しても、何も決まらずだらだらと時間が過ぎることは珍しくありません。会議で結果を残すための工夫もしていません。
であれば、最初から行わない方が良いと感じます。
支援ツールを生かすために
メルマガの事例で言いますと、発生する業務を明らかにして担当者を決めます。
<例えば>
・配信した結果を集計する→事務作業化する
・測定と行動プランを作る→戦略的なことを決めるポジションを作る
・実際に行動する→営業の実行部隊
測定や行動プランの作成は事務でもなければ、外勤営業の仕事でもないために、会社の仕事として漏れがちです。
これを明確に業務として位置づけて、担当者やポジションを作ることから始めたらよいと思います。
例えば今いる営業の人員の中から、適切な人を指名するとか。
あるいは今後、測定とプラン作成もマニュアル化すれば事務作業化できます。
測定方法と行動プラン
支援ツールは結果を指標化をしてくれます。
これを基に営業のアポイントリストを作ります。
営業が営業を行うためのリストを作るのです。
プランというからにはただのリストではなく、行動の優先順位付けも明らかにしたリストになります。
アポの計画は営業自身の訪問スケジュールにもよるので、プラン上はおおまかなスケジュールのみを示します。
***
事務目線で中小企業の「やりっぱなし問題」について書きました。会社内にいても、立場が異なると見える世界が全く異なるものです。
上司、経営者からしてみたら事務員としての私の能力に思うところもあったでしょうけれど、それについて私自身ではわかりませんので棚上げしました。