副業でスナックに約2年と数ヶ月ほど勤めていました。
今はもう働いていませんので部外者ではありますが、スナック接客小ネタとかを投稿していることから元勤め先のことを思い出す機会があるので少し書きたいと思います。
COVID19の感染対策としてやらなければならないことは公的な情報が出ていますが、スナックという業態は対策しつつ営業するということが相当にやりにくいものだと思います。加えて、ネット・SNSでは有象無象のデマも多いことも対策を難しくしているように感じます。
いろいろ不安が多い中で基本的で重要な予防策ではなく、うそ情報やニセ除菌グッズに惑わされてしまうこともあると思います。
ニセモノを避け、ガイドラインを参考にして、現実的に元勤め先で出来そうな対策を書きました。けっこう長くなりました。グラデーション目隠しとか、NO!タッチとか、ネーミングしてみたのですが、やることと言えば全て地道なことだと改めて思います(^-^;
目次:
感染症予防の本丸
重要なことはシンプルです。
これを働いていたスナックにどういう形で適用できるだろうか、というのを考えました。
・手を洗う
・3密を避ける
・マスクを着用する
手を洗う
手指の洗浄は一番やり易くて、かつ、とても大事なことです。
従業員:定期的に手を洗うようにします。接客時はお客さんと一緒にアルコール消毒すると良さそうです。
お客さん:入店時、滞在時(適宜)、退店時にアルコール消毒に協力してもらいます。個人の場末のスナックで手洗い場は限られていますので、アルコール消毒が現実的かなと思います。
3密を避ける
密閉 - グラデーション目隠し
古い雑居ビルに入る場末のスナックにとっては営業中に窓を開けて換気するなんて考えもしなかったことです。窓はついてなかったですし、飲んで歌うから扉を閉めておくのは騒音に配慮すれば当然のことでした。
工夫の余地は限られていますがいくつかできることはあるかなと思います。
・ひと工夫して正面入り口と裏口を常時開放します。たとえば「グラデーション目隠し」というのを考えています。
中が丸見えというのは厳しいので、正面入り口には何か風通しの良い布的なものを設置。この目隠しを3分割のグラデーションにします。上部1/3は2枚重ねに、中間は1枚のみ、下部1/3は完全開放というグラデーションにして目隠しと換気を並行できないかなと思っています。
開放してカラオケすると騒音になるので完全に中止せざるを得ないのですが、飛沫予防のためにも諦めた方が良いように思います。
・常時開放が難しい場合でもいずれかのドアは開けておく必要があるように思います。そして定期的に「換気タイム」を設けて正面と裏を開放します。換気タイムにはカラオケは中止して騒音に配慮する必要があります。
・飛沫が留まらないように換気扇と合わせて扇風機も導入して常に動かすのはどうでしょう。扇風機は今はけっこう安価で手に入れることができます。
密集
会社、取引関係者たちが集まると多いときは十数人の団体になることもあります。このご時世ですから、団体利用はほぼないと思いますが一組の人数に上限を設けておく必要はあるかなと思います。
お店の広さによりますが、ボックス席の利用で女の子が加わることを考えますと、グループ利用は3~4人くらいが限度になりそうだなと思います。
それより多い人数の場合は席を分かれてもらって密集を避ける必要があります。
場末のスナックというのは、今のところ予約システムなどはそぐわない業界なので、来店前に電話を1本もらい、混雑状況を確認してもらうと良い気がします。これはお客さん側も気になるところではあるので、協力を得やすいように思います。
密接 - NO!タッチキャンペーン
店内ではお客さん同士、それから女の子とお客さんも、みんなまとめて席で密接しがちです。混雑していると避けようもないので、密接を避けるためにも利用人数に配慮が必要と思います。
問題はお客さんの方から近寄ってくるケースです。
酔っ払いにどこまで通じるか微妙なところですが、「ノータッチキャンペーン」的な注意喚起をするくらいしか思いつきません。
お店のママはそういうのが嫌いなタイプだったので、その辺は理解のあるお客さんが多かったのですが完全に追っ払うことは難しいようでした。
ひと工夫してマスクを着用する
夜のお店の場というのは、昼間の常識人の仮面を取っ払う場所でもあると感じます。そこに心地良さがあるんじゃないかなと思います。
その上、従業員を下に見るところがあると平然とわがままを通そうとする人も出てきて混沌としてきます。(もちろん、いずれも人によって程度は異なりますけどね。)
お客さんにどの程度の強さでマスク着用を言えるか、というのは難しいところだと思います。
お店を離れた身なので実態がわからないのですが、確かなことはマスクを着けて接客することなんてこれまで全く考えられなかった、ということです。
今はマスクが必要です。
しかしながら、なんの配慮もなく「マスクして!」というのはお互いに難しいので、ここもひと工夫が必要かなと思います。
従業員:お店で統一したマスクを用意して従業員に配布するのが印象的には良いと思います。更にベージュのマスクは柔らかい印象になるので接客に向いていると個人的に思います。(洗って繰り返し使えるものでベージュのもの見かけました。)
お客さん:入店時にマスクを配布するのですが、普通の白いマスクと可愛い柄のマスクの2種類を用意して選んでもらうなど、少しの愛嬌を取り入れと楽しくなるかなと思います。個人的には「自分で選ぶ」というプロセスが入ると着用させられる感も和らぐような気がします。
店内の衛生
テーブルを拭くのは水拭きでしたが、それでは対策として不十分に見えるのでアルコール消毒を追加するのが良さそうです。
コップは洗剤で洗いますし、タオルは業者で洗浄しますし、あとは特別なことは思い浮かびませんね。
ドアノブの消毒もできればやりますが、全員の手指を清潔にすることを何よりも優先したいところです。
もしも陽性者が判明したときのために
連絡先を交換しているお客さんもいますが、感染の連絡をできる間柄かというと、かなり微妙だと思います。
お客さんの中に陽性者が出たとして、それをお店へ連絡してくれるでしょうか。
世間の目もありますし、そもそもお店や従業員の安全などを考える余裕があるでしょうか。
お店側としても陽性者が出たことを直接に伝えるはとても苦しいことだと思います。
個人的には連絡先を書いてもらうことよりも、接触確認アプリを従業員もお客さんも入れておくことの方がお互いにとって優しいと思います。
スマホに入れてオンしたままにしていますが、バッテリーの減りは感じません。
比較に出すのは良くないかもしれませんが、ここは日本で、中国や韓国のシステムとはワケが違いますから個人情報を流用されることのない仕組みになっているそうです。
この説明に納得したので私はダウンロードしてあります。
お店のこととなりますと、もちろんお願いレベルになりますけどね。
うそ情報とニセモノで安心しない
有効な予防を疎かにして、無効な情報やグッズをあれこれ取り入れてなんとなく安心することは全力で避けたいところです。
私たちは常日頃からある程度のリスクを受け入れて日常生活を送ることを選んでいると思います。急にノーリスクなんて無茶な話です。
それと同じようにリスクを直視して、やるべきことを選ぶ必要があると思います。
次亜ナントカは濃度が足りないと有効でないことは公的機関が発表しています。アルコールがない場合の代用として、物の消毒に使う場合はガイドラインに従って使う必要があります。
空間除菌グッズは必要なさそうです。そもそも消毒液は人間が暮らす場所にまき散らすものではありませんし、仮に消毒効果があるとするなら、それでは人間の体の方がやられてしまいます。人間に影響がないものはすなわち効果のないものです。
(なお、幼い子どもの場合は無効というよりは有害になる恐れがありますので使ってはなりません。)
もちろん首からぶら下げるタイプの除菌グッズも意味がないことが周知されてきていますので、使わない方が良いと思います。正しい対策をしてないと誤解を招き、最悪は信用を失いかねないというリスクがありそうです。
安心感は全くないどころか、私なら不安になります。
他にもいろいろとアレが効く、コレが効く、とぽっと出の新商品はみんな商売です。その商売というのは不安な心に付け入る悪質な商売である可能性が非常に高いのです。
うそ情報やニセモノに十分注意する必要があります。
参考リンク
【携帯型の空間除菌用品による皮膚障害に注意】
— 消費者庁 (@caa_shohishacho) 2020年8月7日
首から下げるだけで空間除菌が行えると称する製品(二酸化塩素を利用した商品)を使用中、火傷のような状態になった。との事故情報が6~7月で少なくとも4件消費者庁に寄せられ、1歳児が被害を受けた事例もあります。 https://t.co/q8iYvP4cl2
◎Buzzfeedニュース
大量に商品が出回る「次亜塩素酸水」の危険 科学者「一番怖いのは...」
https://www.buzzfeed.com/jp/kensukeseya/covid-mist?utm_source=dynamic&utm_campaign=bfsharecopy
◎Yahooニュース
NIHにお勤めの峰宗太郎先生による記事なのですがけっこう耳の痛い話です。
◎雑誌 - 理科の探検
ニセ科学を斬る!特集です。新型コロナウイルス感染症の混乱に乗じて現れるニセ科学の情報・グッズについて、専門用語を少なく普通の文章で解説してくれています。
理科のわからない人に最適だと思います。写真・図解ではなく、ほぼ文字ですが、気になる話題を拾い読みできますので気軽に読めます。